日本人の生活に欠かすことの出来ない畳は、諺(ことわざ)にもたくさん登場しています。現代では完全にアウトですが、代表的なものに”女房と畳は新しい方がいい”という諺があります。知っていましたか?

畳替えをしたお客さんから「やっぱり”女房と畳は新しい方がいい”って本当だね!!」と

言われる機会がよくあります。 古くから言われている諺(ことわざ)ですが、

皆さんは聞いたことありますか?

私は20年以上畳屋をやっていますので”女房と畳は新しいほうがよい”という諺は

しょっちゅう耳にするのですが、若い方は聞いたことがないかもしれません。

そもそも今どき奥さんのことを”女房”と呼ぶ人も少ないでしょう。

奥さんとか改まった場所では妻とか、ちょっと年配の方なら母さんでしょうか?

最近は”嫁”という方も多いですね。

”女房と畳は新しい方がいい”という諺はどうやら封建時代にできた諺のようです。

では気になる意味はどうなんでしょうか?

読んだ意味そのままなのでしょうか?

“女房と畳は新しい方がいい”とはどんな意味?

調べてみるとどうやら「若い妻と新しい畳は、いつも清々しくて気分がよいものだ

ということから転じて、新しいものはすべて清々しくて美しいということ。」

という読んだまんまの意味らしく、今の時代では完全にアウトです。

誰が言ったのか知りませんし、知り合いでもないのでフォローするわけではありませんが、

その言葉の裏には「結婚した当時の清々しい気持ちをいつまでも忘れずに、
新鮮(綺麗)であって欲しい」という男性本位な封建時代であっても願望的な

意味がこめられているようです。まぁお互い様ですけど。

”女房と畳は新しい方がいい“以外にも、畳が使われている諺は結構あります。

畳が使われている諺

例えば”起きて半畳、寝て一畳”という諺。

正式には“起きて半畳、寝て一畳、天下取っても二合半”というらしいです。

「人間一人に必要な広さは、起きている時で半畳、寝る時でも一畳あれば充分であり、

贅沢は慎むべし。いくら天下を取っても一食に二合半以上の飯を食べることはできない。

必要以上のものを欲しがったり手に入れたりしても使い切れないのだから仕方がない。」

という意味なんだそうです。

最近ではSDGsなど、ものを大切にしましょう、資源を大切にしましょうといった活動が

盛んですが、大量消費・大量生産・大量廃棄真っ只中の時代を過ごしてきて、

昔に比べて便利で快適な生活になりましたが、それと引き換えに自然を破壊し続け、

地球温暖化や異常気象をまねく結果となり、なんか考えさせられる諺です。

日本人の生活に根付いている畳

話がだいぶ飛躍してしまいましたが、

“畳の上の水連”や“新しい畳でも叩けばホコリが出る”など

畳に関連した諺は他にもたくさんあります。

それだけ日本人の生活に畳は欠かせないものだったんでしょうね。