「国産畳専門店」てなに?畳なんだから国産は当たり前でしょ!?あまり知られていませんが、実は80%以上の畳が中国産だったという衝撃の事実。
畳が傷んできたし、そろそろ畳替えをしようかな…とお考えの時に、皆さんはどのようにして畳屋さんをお探しですか?
近所に知り合いの畳屋さんがあれば良いのですが、今の時代、多くの方はパソコンやスマホで検索をして畳屋さんを探すことが多いかと思います。
そんな時に「国産畳専門店」とか、「国産たたみの○○畳店」といった文字が目に入って来ませんか?「畳は日本の文化なんだから国産は当たり前だろ!」とお思いかもしれませんが、実は中国産の畳表(たたみおもて:畳の表面に使われている「い草」で織られたゴザ部分)が80%以上を占めているのです。
中国産の畳表のすべてが粗悪品という訳ではありませんが、では何故多くの畳屋さんがわざわざ「国産畳専門店」と名乗るのでしょか?
中国産の畳表の一番のメリットは価格の安さですが・・・
安ければなんでもいいと言ってしまえばそれまでですが、国産の畳表に比べて中国産の方が安価なため、消費者にとってはとても魅力的です。しかし、見た目は同じように見えても、国産と中国産とでは使っていくうちに差が出てきます。多くの方がせっかく畳替えをするのならキレイで良い香りがして長持ちする畳を希望されると思います。価格だけで畳店を選んでしまうと粗悪品をつかまされてしまうかもしれません。
「この畳は中国産を使っているから安いんですよ」とハッキリと伝えてくれるのならまだいい方で、国産と言って中国産を使用する悪徳業者も存在するので、値段だけで畳店を選ばないように注意が必要です。
同じように見えてもこんなに違う国産と中国産
下の写真は畳表の原材料である「い草」の断面です。上が国産のい草の断面写真で、下が中国産のい草の断面写真です。畳表の耐久性を左右する一つに「い草内部の”灯芯”の充実度(密度)」があります。
写真でお分かりの通り、国産はキレイな丸い形をしていて、ギッシリと詰まっています。
い草内部の繊維部分を「灯芯(とうしん)」と言い、良質ない草はこの灯芯が蜜で充実しています。下の写真のい草はスカスカで密度もなく形もいびつです。いびつな形のい草で織った畳表は、スレに弱く耐久性が悪いのはもちろん、吸湿性も落ちます。
面の皮が厚い畳表は耐久性があり長持ちします。
国産と中国産との違いは表皮にも表れます。またまたい草の断面写真でご説明します。
国産の畳表の表皮の方が肉厚なのがハッキリと見て取れます。表皮の厚さは灯芯の充実度と同じく、畳表の耐久性を左右する重要な要素です。
年数が経った畳に座ると、衣服や靴下にチクチクと畳のササクレが付いた経験がある方も多いと思います。そのササクレは、い草の表皮がはがれて靴下などに引っ付いた物です。国産の良質な畳表は、表皮が厚く硬いのでスレに強く耐久性が高いのでササクレが出にくいのです。
宮原畳店も国産畳専門店です。
灯芯の充実度や表皮の厚さの違いだけではありませんが、同じい草で織られた畳表なのに、どうしてこのような違いが出てくるのでしょうか?一言で言ってしまえば「生産者さんのこだわり」でしょうか。
畳表の原材料である「い草」は農作物です。土壌づくりからこだわり、良質ない草を育てるための研究、細やかな選別や畳表に織り上げた際の細部にわたる仕上げ作業。生産者さんの苦労、手間暇があってやっと私たち畳店から皆さんの元に届くのが国産畳表です。「国産畳専門店」と名乗っている畳店は、その大切に織り上げられた畳を消費者の皆様に生産者さんお想いと共にお届けしている畳店です。畳替えの際は、是非「国産畳専門店」をお選び下さい。