麦床(むぎどこ)を使用した畳を稲わらから作られた昔ながらの藁床(わらどこ)に入れ替えをした施工例
静岡市駿河区丸子にお住いのお客様の畳を新畳に入れ替えをしました。
既存の畳が気に入らない
和風建築のとても立派なお宅なのですが、入っている畳に関してご主人には長年気に入らない所があったそうで、お話を伺い今回は新畳に入れ替えさせていただきました。
ご主人が畳に関して長年気に入らなかった部分というのが、畳の土台部分である畳床(たたみどこ)が麦床(むぎどこ)だということでした。
畳床(たたみどこ)は主に2種類
現在使用される畳床(たたみどこ)は主に2種類で、稲わらを何層にも重ねて作られた藁床(わらどこ)と、インシュレーションボードとスタイロフォームなどから作られる建材床(けんざいどこ)があります。(檜のチップから作られる檜床などもありますが、主に使われるのは藁床と建材床です。)
今では麦床は作られていませんが、畳替えの時にお客様の畳をお預かりするのですが、麦床の畳に出くわすことがたまにあります。
麦床の特徴
麦床は藁床に比べて安価だったこと、藁床に比べて軽量だったことで一時期出回ったそうですが、虫が付きやすいことと凸凹が出やすいなどの理由から徐々に敬遠され使われなくなっていったそうです。
私が畳屋になり始めの27.8年前にはすでに麦床は製造されておらず、今回のお客様が新築された当時はまだ建材床もない時代で、立派な和風建築の家にも関わらず安価で軽量な麦床を入れてしまったと思われます。
新畳に入れ替える手順
そして今回、当店にお声がけいただき稲わらから作られた昔ながらの藁床を使用した新畳に入れ替えを行いました。
少し前に採寸は済ませてあったので、新しい畳を車に積み込みお客様のところにお伺いしました。
まずは古い畳を撤去して床掃除をします。掃除がすんだらいよいよ畳の敷き込みです。
麦床に比べて倍以上の重さがあるのではないかと思われる重い藁床でしたが、念願かなって稲わらの新しい畳が入りとても満足され喜ばれたお客様を見て一安心しました。