いま使っている畳の厚さを知っていますか?畳の芯材・土台部分は、昔ながらの藁床(わらどこ)から主流は建材床(けんざいどこ)に変わっています。建材床の出現により15mmほどしかない厚さの畳も!
畳は土台部分の畳床(たたみどこ)と、表面に縫い付けられているイ草で織られた畳表(たたみおもて)、そして畳の両端に縫い付けられている畳縁(たたみべり)の3つの部材から出来ています。
土台部分に使われる畳床(たたみどこ)は、昔は稲わらを縦横5~7層(約40cm)に積み重ねたモノを5cmくらいまで圧縮した藁床(わらどこ)と呼ばれる畳床が主流でした。
しかし今では、建築様式の変化やコンバインでの稲刈りなど、時代による変化に伴いインシュレーションボードとスタイロフォームを組み合わせた建材床(けんざいどこ)と呼ばれる畳床が主流となりました。
藁床(わらどこ)の特徴
藁床はお米を収穫した後の稲を乾燥させた藁を使って作られています。
環境にやさしく、クッション性、湿気の吸放出性、防音性などに優れた先人の知恵が詰まった素晴らしい床材です。
建材床の特徴
木質素材のインシュレーションボードと発泡プラスチック系のスタイロフォームとを組み合わせて作られているのが建材床(けんざいどこ)です。
吸音性や断熱性に優れ、現在の畳床はこの建材床が主流となっています。
インシュレーションボードとは?
木のチップを水とともに加熱し、繊維状になるまで細かくほぐします。その後、接着剤や合成樹脂と混ぜ合わせボード状に乾燥させたものです。
インシュレーションボードは木質素材なので吸音性に優れています。
スタイロフォームとは?
発泡スチロールと同じ材質を用いた発泡スチロールの進化版がスタイロフォームです。
熱が伝わりにくいため断熱効果が高く、住宅などの断熱材としても使用されています。
建材床が主流になったことで畳の厚さの幅が広がった
藁床(わらどこ)を使用していた昔の畳は、厚さが55㎜~60㎜の物がほとんどでした。ほとんどと言いますか、稲わらを使用した藁床は、藁を圧縮して作るため55~60㎜の厚さが必要でした。
しかし、現在主流の建材床(けんざいどこ)は、工業製品であるインシュレーションボードとスタイロフォームとの組み合わせや、インシュレーションボードのみで作られているため、もっとも薄いものは10㎜ほどの厚さしかない畳床も作られるようになりました。
フローリング用の置き畳などには15~30㎜の厚さの畳がよく使われ、建材床の出現により畳の厚さの幅が広がりました。
静岡市駿河区西脇の新築現場に厚さ15mmの縁付き畳を納めました。
フローリング用の置き畳ばかりではなく、最近は居室にも薄い畳が採用されることが増えてきました。静岡市駿河区西脇に納品した縁付き畳も厚さが15㎜の薄畳です。敷いた写真を見てもわからないと思いますが15㎜ほどの厚さしかありません。
可能であれば畳の3厚さは30㎜以上をお勧めします。
何年後かに畳が傷んで表替えをしようとした時に、畳床(たたみどこ)の厚さが10㎜や15mmしかないと、表替えが出来ずに使い捨てになってしまう場合もあります。また、スレや傷みに強い厚みのある上質な畳表を付ける(使用する)ことが出来ないので、これから和室や畳コーナー・畳スペースの設置をご検討されているのであれば、クッション性のことも考慮して建築屋さんに畳の厚みは最低でも30mmは欲しい旨を伝えましょう。