メダルラッシュに沸いた東京オリンピック。柔道は畳なしでは語れない!?畳屋目線から見た柔道日本代表のメダルラッシュ!
緊急事態宣言下での開催に賛否両論あった東京オリンピックも、
終わってみれば獲得メダル総数、金メダル数ともに過去最高という結果に終わり、
意外にも大きな盛り上がりをみせました。
様々な競技の中でも、特にメダルラッシュに沸いたのが柔道ではないでしょうか?
日本のお家芸ともいえる柔道は、畳なしでは成り立ちません。
そこで今回は、柔道と畳にまつわるお話を書かせていただきます。
その昔、柔道場には今はやりの琉球畳が敷き詰められていた
柔道が初めてオリンピック競技として採用されたのが1964年の東京オリンピックなんだそうです。
当時の柔道場に敷き込まれた畳は、今のようなカラフルなビニールの畳ではなく、
「七島藺(しちとうい)」というカヤツリグサ科の植物を織って畳表を
使った天然素材の畳を使用していたそうです。
この七島藺ですが、一般的な畳に使われる藺草(いぐさ)に比べとても丈夫で耐久性に優れています。
今では縁なし畳のことを琉球畳と呼ぶ方も多いですが、
本来はこの七島藺で織られた畳表を使って作った畳を琉球畳と呼んでいました。
それから時代は進み、大分県が主な生産地の七島藺は、一般的な畳に使うい草農家さん以上に激減してしまい、
今では大変貴重で高価な畳表になってしまいました。
柔道からJUDOへ。畳もタタミへと変化してゆきました
柔道畳に話を戻しますと、柔道場の畳もよりクッション性、
衝撃吸収性が求められるようになりました。
またテレビ映えも考慮され、自然素材からウレタンやビニール素材などを使用した
カラフルな畳に変化してゆきました。
柔道がJUDOに変化したように、畳もタタミへと変化したとでも言いましょうか。
柔道畳には全日本柔道連盟公認や、国際柔道連盟公認などがあり、
悲しい話ではありますが、私たち一般の畳店では手が出せない手の届かない、
まさにタタミになってしまいました。
2020東京オリンピックで採用された柔道畳は実は・・・。
実は2020東京オリンピックの柔道で使用された畳は、
国技館に敷き詰められたあの赤と黄色の柔道畳は、
中国製の柔道畳だったことはご存知でしょうか?
色々と大人の事情があるのでしょうが、
日本で生まれた柔道で、しかも東京での開催なら
日本製の柔道畳を使って欲しかったなぁ…と思うのは
畳屋だからなんですかね?