日本の伝統文化である茶道。その茶道と畳には切り離しては考えられない程の深い関係があります。茶道の畳の目の数から名称までお茶室の畳のお話。
日本の伝統文化である茶道と畳は、切っても切れないとっても深~い関係にあります。
お茶室や茶道教室のお稽古場の畳には、キッチリと守らなければならない約束事や決まりがあります。
ではお茶室で使われる畳にはどんな決まりがあるのでしょうか?
まず守らなければならないのは畳の目の数です
畳の目の数と言われてもピンとこないかもしれませんね。
畳表は山があって谷があってモコモコしていますが、その山の部分が畳の目です。
お茶室は基本的には京間サイズで造られています。
京間サイズの畳の幅は三尺一寸五分(約95.5cm)あります。
京間畳ってなに?という方はこちらの記事も是非読んでください。
その畳の幅にキッチリと64個、モコモコと山が出るように畳を作らなければなりません。
これを64目または丸畳(まるたたみ)と言います。
下の写真の矢印で表しているのが畳の山の部分、畳の目と言われている部分です。
ではなぜ64目なのでしょうか?
それは日本の国(山城国や武蔵国といったような)の数、六十四州(六十余州?)を
かたどったからと言われていますが定かではありません。
茶道ではお茶碗や棗(なつめ)などのお道具を畳に置く時に、
畳の目の数でお道具を置くべき位置を示すため、キッチリと畳の目が出ていなければなりません。
お茶室用の畳表を使わなければ、64目の畳を作ることは出来ません。
お茶室の畳にはそれぞれ名前がついている
お茶室には床の間やお客様の出入り口、亭主(お客様をお招きおもてなしをする方)の
出入り口の配置によってそのお茶室の炉の位置と畳の配置が決まります。
そして、畳にはそれぞれの役目によって名前がついています。
お茶室の基本形である四畳半を例にしてイラストを描いてみました。
- 点前畳(てまえたたみ)
亭主がお点前をする畳。道具畳または亭主畳ともいう。 - 踏込畳(ふみこみたたみ)
亭主が出入りする畳。 - 貴人畳(きにんたたみ)
床の間前の畳。貴人(きにん)の座る位置。 - 客畳(きゃくたたみ)
お客さんが座る畳。 - 炉畳(ろたたみ)
炉が切ってある畳。
なんだか厳格なイメージでいよいよTHE・茶道!って感じがしてきますよね。
ちなみにお茶を点てる時は「点前」と書いて、お茶を点てる以外の炭をついで火をおこす
炭手前(すみてまえ)の時には「手前」と書いて使い分けられるそうです。
畳以外にも色々と決まりごとがあり、ちょっと敷居の高いイメージのある茶道ですが、
慌ただしい毎日を送っている現代人には、ほっとする安らぎと心の落ち着きを与えてくれる
とても素晴らし伝統文化ではないでしょうか?