茶道と畳の深い関係には続きがあった!茶道には畳でなければいけない理由や現代にも残る日常生活のマナーが詰まっています。茶道を学んで5S活動を身に着ける。

前回に引き続き、日本の伝統文化である茶道と畳の、

切っても切り離せない深い関係について書いていこうと思います。

畳はすり足で歩く

茶道では畳の上を歩く時は、すり足気味にすっすーと音を立てて歩きます。

水屋(茶道具などを用意するための場所で、一般住宅で例えると台所です。)にいても

いま茶室内ではどんなことが行われているのか、

すり足で畳がこすれる音によってその動きを察知することが出来ます。

フローリングをすり足で歩いても何も音はしませんし、正座などしようものなら

痛くて仕方ありません。やっぱり茶道は畳の上でするものですね。

目の詰まった畳表をお勧めします

すり足や正座をする機会の多い茶道では、

やはり茶室用の畳表を使用されることをお勧めします。

茶室用の畳表でなければ前回のブログに書きました64目の畳は作ることは出来ませんし、

とても品質が良く目が詰まっているため、すり足をしてもすぐにササクレてしまう心配もありません。

64目ってなに?という方はこちらのブログも是非ご覧ください。

京間サイズではない茶室やお稽古場だとしても、すり足や正座をすることを考えると

国産の目の詰まった畳表を使用すれば、すぐにササクレてしまう事なくご使用していただけます。

畳の縁は踏んではいけない

畳の縁を踏まないというのは茶道に限らず、昔から伝わる礼儀作法というか、

マナーというか常識といいますか。

今では化繊の畳縁が多くなりましたが、昔は綿や麻などで織られていました。

なので、今に比べて畳縁は傷みやすく擦れやすいため、

畳の縁は踏まないようにと躾けられたのでしょう。

また畳縁に家紋が織込まれたこともあり、家紋の入った畳の縁を踏むのは大変な無礼にあたるので

畳の縁は踏まないというのが礼儀でした。

畳の少なくなった現在では「畳の縁は踏んではいけません!」と、

あまり聞かなくなった礼儀作法ですが、昔から伝わる礼儀作法ですので、

茶道に限らず一般住宅だろうとどこの和室でもそのお宅の方に失礼のないように

畳の縁は踏まないように気をつけて歩きましょう。

お茶室の畳縁は境界線を表す

茶道と畳についての話に戻りますと、お茶室では畳の縁が亭主とお客さんのフィールドを分ける

境界線を意味します。

まずお菓子は亭主のフィールドである畳の縁の外にお出しして、

お客さんは出されたお菓子を懐紙にとり、自分のフィールドである縁の内側に持ってきます。

お茶を頂戴する時には、縁の内側の自分の膝の前に茶碗置いてから、

隣の方に「お先に」と挨拶をしてから亭主に「お点前頂戴いたします」と挨拶をします。

いただき終わった茶碗は亭主のものですから、自分のフィールド外である縁の外側に置きます。

このように、もてなす側もてなされる側をハッキリと分ける境界線の役目をする畳縁を踏むことは

絶対にやってはいけない行為なのです。

畳縁について書いています。是非合わせてこちらの記事もお読みください。

茶道とは5S活動を学ぶこと?

凄くかしこまった仰々しいイメージのある茶道ですが、

その一つ一つの動きには無駄なものはなく、全て理にかなった動きをしています。

5S活動という言葉を聞いたことありませんか?

建築現場や工場などで聞かれる言葉ですが、

整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字からくる5S。

おもてなしの心など他にも学ぶことはたくさんありますが、

茶道を学ぶことは5Sを学ぶことに繋がっているように思います。

ただお茶を入れて飲むだけのことなのに本当に奥が深いですね。