畳が日に焼けてしまうのをなんとかしたい!いつまでも青々とした畳のままでいて欲しい。皆さんそう思いますが、年数が経って日に焼けた畳にもメリットがあるんです!
畳替えをしたばかりの畳は青々としていて、本当に気持ちがいいものです。
お客様も「最初はこんなに綺麗な色だったんだ!」とビックリされます。
多くの方が「このままずっと青々とした畳のままでいたらいいのにな…」と思うかもしれません。 でも、それでは私たち畳屋の仕事が無くなってしまいますので、やっぱり畳は日に焼けてくれなければ困ってしまいます。(冗談ですよ冗談♪)
残念ながら畳は自然素材の藺草を使っているため、日焼けによる経年変化で徐々に色が退色してしまいます。
それならば出来るだけ日焼けをするタイミングを遅らせたい!日に焼けてしまった畳を元の青々とした畳に戻したい!そう考える方も多いと思います。
そこで今回は畳の日焼け対策について書いてみたいと思います。
どうして畳は日焼けするの?畳が日焼けする原因とは
畳は陽に当たることにより日焼けをします。直接陽が当たらない部屋でも目に見えない紫外線により日焼けしてしまいます。
♪机本箱 運び出された荷物のあとは、畳の色がそこだけ若いわ♪とキャンディーズの「微笑みがえし」の歌詞にもあるように、久しぶりに家具の配置換えや、カーペットをはがしてみたら、その部分だけは元の青々とした色のままだったという経験をされた方もいらっしゃるかと思います。
畳の表面に使われている畳表(たたみおもて)は、藺草(いぐさ)という農作物から作られています。その藺草の中の色素が紫外線によって変色してしまう事が原因です。
畳が日に焼けてしまうのが嫌でも敷きっぱなしはやめましょう
畳が日に焼けてしまうからと言って、畳替えをしたばかりのお客様で、綺麗な畳が入ったと同時に上敷きやカーペットを敷いてしまう方がたまにいらっしゃいます。
そのお気持ちは痛いほどわかります。出来る事ならこの青々とした色のままでずっといて欲しい。皆さんそう思っている事でしょう。
しかし、1年中畳の上に上敷き、カーペット、絨毯を敷きっぱなしにすることは、畳にとっていい環境とは言えません。
畳は呼吸をしています。敷物をするとその呼吸を妨げてしまうばかりか、畳と敷物の間にホコリがたまりやすくなってしまい、衛生的にもよくありません。
畳の日焼けは悪い事ではありません。良いことだってあります。
畳が青々しているという事は、まだ藺草が柔らかい状態だという証拠です。
静岡の方言で言う「みるい」状態です。
「みるい」状態の畳表は、まだ瑞々しく傷がつきやすく、シミになりやすいのです。
数年たって色味も落ち着いた畳表は、表皮が固くなり傷がつきにくく、カビも生えにくくなります。また青々とした畳も良いですが、黄金色に焼けた畳も落ち着いた雰囲気で心が休まります。
若い頃はちょっとしたことで傷ついて落ち込んでしまいますが、年を重ねるにつれ面の皮が厚くなり、多少のことでは同様しなくなる。人間も植物も同じですね!
藺草以外の畳を選ぶ、UVカット率の高いカーテンをつるす
それでもどうしても畳が日に焼けるのが許せない!という方には、藺草の畳ではなく、最近は樹脂製や機械すき和紙で織られた畳表がありますので、検討してみてはいかがでしょうか?
自然素材ではないので、あの新しい畳の良い香りや湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用はありません。お部屋の用途や雰囲気に合わせて藺草や樹脂製の畳表が選べるところも畳の良い所ではないでしょうか?
また、UVカット率の高いカーテンや遮光カーテンもお勧めです。紫外線を完全に断ち切ることは出来ませんが、陽当たりの良い部屋には効果的です。
日に焼けた畳をお酢で拭くと良いとネットで見かけましたが、シミになってしまったり、畳が変色してしまうおそれがありますので、あまりお勧めできません。
藺草の畳は自然素材ですので、畳が青~薄緑~黄金色と徐々に変化していく様、それこそが畳の良い所だと楽しんでください。