80%以上が中国産だと言われているけどうちの畳は大丈夫?国産だと言っていたけど確認する方法はないの?詐欺にあわないために国産と中国産を見分ける方法とポイントを解説します。
現在、世の中に出回っている天然い草を使用した畳の80%以上に中国産の畳表(たたみおもて:畳の表面のゴザ)が使われています。
中国産の畳は価格面でみれば国産品に比べリーズナブルなのですが、安心できる生産工程や耐久性などから「畳はやっぱり国産品がいい!」といったお客様がほとんどです。
国内で最も多く「い草」の生産が行われ、畳表が作られている地域は熊本県です。国内シェア95%以上が熊本県で生産されています
一昔前までは熊本県以外に福岡や広島、岡山に高知に石川など各地でい草が生産されていましたが、畳の減少や中国産の台頭により年々生産量が下がり、今では生産が途絶えてしまった地域や生産農家さんが数件しか残っていいない地域もあります。
国産シェア1位の熊本県でも平成元年には5800件ほどあった生産農家さんが、今では300件ほどに激減してしまいました。
中国で生産されているい草も、元をたどれば日本から持ち込まれた苗から作られており、日本企業の指導もあって以前に比べれば生産技術は飛躍的に向上しましたので、決して中国産の畳表すべてが悪いものではありません。
ただ、中国産を使うのならばお客様に「これは中国産です。」とちゃんとお伝えすればいいのですが、極稀に中国産の畳表を使用したにも関わらず「国産品の畳です」と詐欺を行う業者も存在します。
そこで今回は、国産の畳と中国産の畳を見分けるポイントをいくつか解説しますので、詐欺行為に合わないようにお役立てください。
※今回は熊本県産の畳表を例に書いていきます。
熊本県産の証明、「県証糸」
熊本産の畳表は、徹底した品質管理が行われています。
畳表の原材料となる「い草」は農作物ですから、生産者によって品質にバラつきがあるため、い草から織られた畳表は品質や重量、長さなどで細かく等級分けされます。
そして、熊本産の証として織り糸の中に熊本証糸と言われる「りんどう色の麻糸」又は「いちょうりんどう色の綿糸」が織込まれています。
りんどう色と言うよりも藍色と言った方がピンとくるかもしれません。畳表のモコモコした山の中には綿の糸や麻が通っていて、その中に一本だけ県証糸といわれる物が織込まれています。
ちなみに県証糸とは、畳表の日本農林規格のたて糸の基準(太さ、引っ張り強さ、伸び率、混用率)を満たし、熊本県産の証明として「県証糸」が入っているそうです。
もっと簡単に確認できる証明書
熊本県産の畳表にはりんどう色の県証糸が入っていると言っても、家に敷き込まれた畳では確認することが出来ません。
畳屋さんに一声かけて敷く前に見せてもらえれば良いのですが、もっと簡単に国産品なのか中国産なのかを確認できる方法があります。
国産の畳表には、これは私が作ったものですよ!とわかるように生産者名のスタンプが押してあったり、登録証やエコファーマーのシールが貼ってあります。また、その生産者さんが所属しているグループの名前が入ったものや生産者さんがオリジナルで作った紙が留められていることもあります。
生産者さんがオリジナルで作ったものは、その生産者さんの人柄やどんな想いでい草を育て畳表を織ったのかが垣間見えて素晴らしいと思います。
その他にも、産地問屋さんの証明書が付いてくることもありますので、畳替えを頼んだ畳屋さんにもらうのもいいかもしれません。
これが一番簡単に確認できる方法「QRコード」
そして、もっともっと簡単に国産なのか中国産なのかがわかる手段があります。それがQRコードです。
熊本産の畳表にはQRコードが織込まれています。ここで「必ず織り込まれています!」と言い切れない事が悲しいのですが、ほとんどの熊本産の畳表にはQRコードが織込まれています。
外国産との区別化や産地偽装を防ぐために熊本県い業協同組合の確認を受け、熊本県産のい草を原料としたもの、県証糸が使用されている、着色剤が使用されていない畳表にこのQRコードが織込まれています。
QRコードをスマホなどで読み込めば、生産者さんの名前も当然確認できますので、先程の証明書などと照らし合わせればダブルで安心です。
このように国産の畳表なのか中国産の畳表なのかを確認する方法はいくつかありますので、畳替えを検討していて少しでも不安があったら必ず確認するようにしましょう。