訳あって畳を上げる予定のある方必見!畳には定位置があり、うっかり確認を忘れてしまうと大変な目にあってしまうかも…。畳を上げる前にちゃんと裏面を確認しましょう! 大掃除には畳干し(たたみぼし)。畳干しって何?

11月に入り朝晩はすっかり涼しくなりました。

早め早めに行動する方の中には、そろそろ年末に向けて大掃除を

始められる方もいらっしゃるかもしれません。

大掃除といえば一昔前までは部屋に敷いてある畳を天日干しして、

布団たたきで畳をパンパンと叩いて畳にたまったホコリや湿気を

カラッとさせるのが年末の恒例行事だったみたいですね。

畳屋を20年以上やっており、40代後半の私ですが、

畳干しは写真でしか見たことがありません。

それでも畳替えのためにお客様からお借りしてきた畳を少しの間

日光浴をさせてから作業をすると、畳がポカポカしていて

やっぱり何年かに一度は畳を天日干しにした方が良いかもなぁと感じます。

昔と今では住宅事情やご近所付き合いの形も変わってきていますので、

近隣の方にご迷惑にならないように畳干しをしてみるのも良いかもしれませんね。

畳には定位置があります

畳干しをしたわけではないでしょうが、畳をお預かりに伺った時に

何故か畳の位置が変わっていたり、上下がひっくり返って入っている時があります。

理由を聞くと、ひどく擦れてしまった畳の場所を入れ替えた、

床下の工事をして大工さんが畳を敷いていったなど理由は様々です。

長年畳屋をやっていますと、場所が変わっていたり、上下がひっくり返っていると

部屋に入って畳を見ると斜に隙間があいていたり、畳の目がおかしかったり

何となく変だな?とわかるようになってきます。

畳の場所が変わっている場合には、余分な作業が増えてしまったり、

本来の敷き方と変わってしまう場合があるので、一度畳を元の位置に戻してから

畳をお預かりしています。

裏面をしっかり確認しましょう

ではなぜ私たち畳屋は本来の畳の位置がわかると思いますか?

何か理由があって畳を上げたんでしょう、床板と畳に①とか②と

場所を表す番号が書かれている畳と時々出会うことがあります。

また、新築のお家に畳を入れるのであれば、自分が一番初めに畳を入れるので

この畳はこの位置に入れるとわかりますが、

以前は○○畳店さんに頼んでいたという場合など、何か手掛かりがないと

複雑なパズルのようになってしまい困ってしまいます。

正解は畳の裏にその畳の納まるべき場所を表す文字が書かれているからです。

裏書(うらがき)といい、主に東西南北に振り分けて書かれています。

畳屋さんによって異なる裏書

畳屋さんや都道府県によって若干書き方が違いますが、

①や②と書かれているよりもはるかにわかりやすく、

この裏書のおかげで借りてきた畳を迷うことなく元の位置に戻すことが出来ます。

この年末に畳を上げて天日干しをする予定のある方は

畳の裏書を確認してから干すことをお勧めします。