静岡市葵区有東木で、琉球畳を縁(へり)の付いている畳に入れ替えました。琉球畳と普段よく目にする縁の付いている畳とでは使用する畳表の種類が違います。そもそも琉球畳とはどういった畳なのでしょうか?

最近は、縁(へり)の付いた畳を琉球畳にして欲しいというご依頼を多くいただきます。しかし、今回のご依頼は琉球畳を縁の付いている畳に入れ替えて欲しいというご依頼でした。

そもそも琉球畳とは?普通の畳との違いは?

「琉球畳」と聞くと、どんな畳を思い浮かべますか?ほとんどの方が「正方形」で「縁の付いていない畳」を想いうかべると思います。

しかし本来「琉球畳」とは多くの方が想像する正方形の縁の付いていない畳ではなくちゃんとした定義があるのです。

「本物の琉球畳」とは?

「琉球畳」と「普段よく目にする縁の付いている畳」とではそもそも使用する畳表が違います。

普段よく目にする縁の付いている畳は、イグサ科の藺草(いぐさ)を織った畳表(たたみおもて)が使われており、「琉球畳」に使われる畳表は、カヤツリグサ科の七島藺(しちとうい)という植物を織って畳表にしています。藺草の断面が丸いのに対し、七島藺の断面は三角形なのが特徴です。

藺草(いぐさ)の断面:丸い

七島藺の断面:三角

琉球表=カヤツリグサ科の七島藺=断面が三角

普段よく目にする畳=イグサ科の藺草=断面が丸い

 

七島藺で織られた畳表は非常に硬く丈夫なため、一昔前には柔道場に使用されていました。

七島藺は、栽培から製織までほとんどの作業が手作業のため、生産枚数も非常に少なく、1日に畳2枚分しか織ることができず、生産者も非常に少ない大変貴重な畳表です。

元来、「琉球畳」とはこの七島藺の畳表を使用した畳を指していましたが、近年では縁の付いていない半畳サイズの畳のことを総称して「琉球畳」と呼ぶことが多くなってきました。

縁が付いていてもいなくても、半畳でも一畳でも「琉球畳」

七島藺を使用した畳は、縁が付いていてもいなくても「琉球畳」です。そして七島藺を使用した畳は、半畳サイズでも一畳サイズでも「琉球畳」なのです。

半畳の縁なし畳≠琉球畳

琉球畳=七島藺を使用した畳

価値が逆転した琉球畳と縁の付いている畳

ひとつ前の記事や以前の記事でも、わかりやすいように縁なし畳を琉球畳と書いてありますが、お客様から琉球畳にしたい!といったご依頼をいただいた際には、間違いがあってはいけませんので、念のため「半畳サイズの縁なし畳」がご希望なのか、それとも本物の琉球表を使用した畳がご希望なのかをお聞きしています。

そして今回ご依頼をいただいたお部屋の畳の写真です。

施工前:一畳サイズの琉球畳

一部畳がない部分がありますが、よく見ていただくと縁が付いていません。そして、写真ではわかり難いのですが、琉球表を使用してあります。一畳サイズの縁なし畳ですが、この畳も立派な「琉球畳」です。

施工後:縁の付いた畳に新調しました。

長い間使っていただきましたが、畳床(たたみどこ:畳の土台部分)もヘタっており、新しい縁の付いている畳に入れ替えさせていただきました。

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